ウルトラC針採用の独自スタイルが面白いカートリッジ群


C-210

 有線放送でかかる演歌はこのカートリッジの音だという。EXCELからのOEMだが、針先は「ウルトラC」というサファイアの結晶方向を見定めて摩耗に強い面を使った研磨の針で、ダイヤモンド針とそん色ない寿命を誇った。

 ダイヤモンドより軽く剛性が低いため高域特性が独特の甘い響きとなって音楽に「まろやかさ」を感じる。個性ある音は今でも時々聞きたくなる。

C-250

 このカートリッジはGRANZからのOEMで、VictorのMD1016と同じ発電機構をもち、音質もよく似ている。GRANZのこのシリーズは大好評で、豪快で力強い鳴りっぷりは今でも根強いファンがいる。

 この写真のC-250はシェル一体型による高剛性化で余分な振動を排除し、低コストでGRANZの豪快さと「ウルトラC針」の独特な甘い高域で高音質を実現した隠れた名機だと思う。

C-280

 専用のヘッドシェルを持つ面白いカートリッジ。これもEXCELのOEMだが、試聴を繰り返して専用のヘッドシェルを付けたところが東芝らしい。

 音質はさらりとした聴きよい音で、どのジャンルのレコードもウルトラC針の魔法にかかったようにメルヘンチックだ。

 見た目は貧弱だが芯のある低域や音像の良さはこれが汎用廉価版のカートリッジでることを忘れてしまう。