様々なカートリッジ(汎用品を中心に)

 ここにいくつかのカートリッジがある。これらは全て1960年代後半~70年代前半を代表するもので、当然のことながら新品の購入は不可能。オリジナルの交換針も手に入らない。たとえあったとしても、ダンパーやスタイラスチップの接着剤など合成樹脂材料を使っているため劣化は避けられない。発売以来50年も経っているのであたりまえとも思うが、当時の音は失われたと言っても過言ではない、(DL-103(DENON)のように今も販売しているものは例外中の例外です。)

 ところが、こうした悪条件にもかかわらず、レコード針専門メーカーによってこ新品の交換針が供給されているため、これらのカートリッジはステレオレコードの黎明期から1970年代前半のLPを見事に再生してくれる。なまじ最新のカートリッジよりこちらの方がよいと感じることも多々である。

 それではこの古いカートリッジをどうやって手に入れるか?

 Yahooオークションでジャンク品を落札し、新品の交換針を購入して使えるようにするしかないのだが、自分で調整・修理をする方法もある。針折れ品は高級カートリッジも役に立たないので安価に入手できる。問題は品質だが、テストレコードを視聴し、音質を確認することで修理の成功・失敗の判断も付くし、好みの音質に調整することも可能だから面白い。

 こうして、カートリッジをとっかえひっかえ・・・カートリッジによる音色の違いを楽しむという夢のようなことが実現できるようになった。


1960年代後半を代表するカートリッジ


 まず最初に紹介するのは、LPレコードの初期に活躍したMMカートリッジだ。

 AT-3は1962年、PC-11は1970年、M-2100は1967年なので、AT-3が圧倒的に古い。AT-6はAudio-technicaからオーディオ各社にOEM供給され1960年代を代表するカートリッジとなった。

 ところがこれらのカートリッジ、製造から50年になろうとしているにも関わらず、まだ現役でガンガン使える。むしろ最新のカートリッジより良い場合もある。特に古いレコードを聴く場合にこれらのカートリッジは欠かせない。その時代の音が出てくる。骨太でエネルギッシュで、がっしりと前を向く、高度経済成長時代の希望に満ちた日本の音楽が聞こえてくるようなきがするから面白い。

AT-3(Audio-technica)

Audio-technicaの最も初期のMMカートリッジ。OEMで各社に供給していたので交換針メーカーも「共通針」としていた。LPレコードがモノーラルからステレオになった当時の標準として使われていたカートリッジ。円錐針で適正針圧は2.5g~3g、帯域は広くないが充実した中音域で音にコクがある、1960~70年代のLP再生には欠かせないカートリッジ。非常に良いカートリッジだが今はほとんど入手できない。

このカートリッジはスクラッチノイズも小さく、非常に安定したトレースで嫌な音を出すことがない。ボーカルの「ス」の発音が耳につくLPならこのカートリッジがおすすめ。古い痛んだLPでも針先が飛ぶようなことは少ない。これで音飛びならそのLPはどんなカートリッジでも正常に再生できないだろう。

AT-6(Audio-technica)

LPレコード普及期を代表するAudio-technicaのMMカートリッジ。AT-3の後継で、帯域を拡張、針圧も2gと軽量化、大量生産化して、日本の各社にOEM供給されたため、TD10-16(各社共通針)となっている。

性能はAT-3に劣ると言われているが、今聴いても十分な性能を持っていることから、工業製品としての優秀さが理解されよう。

製造から50年経過してもなお、最新の機種と遜色ない性能を発揮し、古い録音のレコードから信じられないような鮮度の高い音を聞かせてくれる。

カートリッジ自体もたいへんタフで、神経質な所がなく、取り扱いに気を使わなくて良い。とにかく間違えずに配線して、カートリッジをヘッドシェルにしっかり固定すればよい。それだけで十分なのだ。

PC-11(Pioneer)

Pioneerのプレーヤー付属カートリッジ。PioneerはAudio-technicaのAT-6を搭載していたが1968年からオリジナルのPC-10シリーズとなった。初期ステレオLP再生に向いている。適正針圧は2.0g~2.5gと、AT-3より軽いがトレース能力は問題ない。円錐針と楕円針があるが、これは円錐。楕円針で聞くと分解能がましてベールを一つ剥いだ印象となるが、私は円錐針の落ち着いた音が好きだ。

このシリーズはPC-10、PC-12、PC-15、PC-20など類似品も多く、針の互換性もあり、今でも中古市場に多く出回っている。

AT-3には若干劣るが実力はさほど変わらない。AT-3は入手困難で高価なため、ほとんどのLPはこれで良いと思う。

交換針が豊富にあり、円錐や楕円などの針先の違いを楽しめるメリットもある。

M-2100(MICRO)

MICROの普及型MMカートリッジ。本来はMICROのヘッドシェルにつけるべきだが手持ちに良いものがなかったのでSONYの軽量シェルに付けた。帯域は広くないが元気のよい音。発売当時人気があったが、今でも「ゴキゲン」な音楽を奏でる。家電メーカーがオーディオに参入する前の、個性あふれるカートリッジの一つ。

0.6mill円錐のブロック針、1960年代のLPはこれで聞くべし!とおっしゃる方もいるほど。高度経済成長時代の元気な日本を聴くことができる。

このカートリッジの針先(スタイラス)は無垢のダイヤモンドである。オリジナルの針が残っていたら儲けもの。音は無垢ダイヤが断然良い。

しかし残念なことに、今ではそのオリジナルの針が手に入らない。交換針は接合円錐だから、音の鮮度が一歩下がる。だがそれでも聞いてみたい一品である。



1970年代を代表するカートリッジ


 1970年代はLPレコード全盛であり、オーディオ各社が独自に個性的なカートリッジを開発して覇を競った時代である。

 MM型は振動を針先で捉えて小さな磁石を動かし、細い線を多数巻いたコイルで電気信号に変えるため、高域の伸びに制限があった。そのため、針の振動を巻数の少ないコイルに伝えて強い磁界で発電するMC型が大きく伸びた時代でもある。しかしMM型は出力電圧が高いので普及型オーディオ装置との相性もよく、針先やカンチレバーに高級品を投入して高音質を追求した反面、普及品はコストダウンから品質が劣化した部分もある。そのうちCDが台頭し、あっという間にLPが市場性を失って、カートリッジも消える運命となった。

AT-10G

Audio-technicaVMシリーズの普及品で超ロングセラー。つい最近まで現行品だったので中止となったのは残念。中古市場やオークション市場では多く出回っており、交換針の供給も十分。まだ在庫が残っているためしばらく新品も手に入るみたいだ。

VMシリーズは明るく元気な音質が共通の特徴。AT-10GはVMシリーズの普及品といえるものでOEMも多く、交換針の互換性も高い。円錐針、適正針圧は2g、どんなジャンルもこなすオールマイティーなカートリッジで、海外の評価も高い。

 

MD-1016(Victer)

これがあれば他はいらないという人もいるほど評価の高いカートリッジ。針のグレードによって帯域や音質も大きくグレードアップする。円錐針、楕円針、シバタ針などの針先の違いを楽しめるメリットもある。

低域と高域が伸びて広帯域化し、スピード感も増した。率直な特性で、音溝に刻まれた音をそのまま表現する。程よいバランスが素晴らしい。

1970年代までのLPならこのカートリッジがよい。スクラッチノイズもあまり気にならず、安心して使えるカートリッジだ。

MG-2S(GRANZ)

ミタチはGRANZの商標で国内オーディオメーカーに多数の機種をOEM供給していた。その中でも楕円針のこのカートリッジは音質が良く、安価だったため最近までディスコで使われていた(VR-7/Vestax)。

このカートリッジは各社にOEM供給されたので交換針も豊富。機種が違ってもスリーブが同じなので流用できるものもある。

Lo-D(日立)のMT-23とMT-24、VicterならZ-1s、DENONならJM-16。すっきりとした音質で現行品と比較しても遜色ない。



モノーラル時代のカートリッジ


 SP(78回転)からLP(33回転)になってクラシック音楽のほとんどの曲目が一枚のレコード盤に収まるようになると、手軽に本格的なオーケストラ演奏の録音が家庭でも楽しめるようになり、レコード全盛期を迎える。SPとLPが共存していた頃、高級機はバリレラ型、MM型、MC型のカートリッジが優劣を競っていたが、庶民は圧電素子(ロッシェル塩やセラミックス)を用いた家庭用電蓄が全盛。オークション市場に出るロネットタイプの交換針は圧電素子用のものである。私が最初に手に入れたのもセラミックカートリッジの卓上ステレオ電蓄(50EH5シングルアンプ内蔵)であった。

 当時のバリレラ式やMM式カートリッジは今でも高い人気があるとのことで興味を持ち、入手して聴いてみると、これがなかなか良いのである。これらの古いカートリッジによってシゲティの無伴奏(ヴァンガードの再販品、モノーラル録音)から実に深々とした響きが出てくるのだ。このときから私のカートリッジに対する考えは大きく変えられた。新しいものほど良いという技術進歩肯定の考えに些か疑問を持つこととなった。これが、カートリッジ狂いにハマるきっかけとなった次第である。

VC-7/NEAT

戦後日本レコード業界の一翼をになったNEATのバリレラ型カートリッジ。もちろんモノーラル。今では交換針が手に入らないので、バリレラ本家GEの針を改造するなど一手間必要だが、シゲティの無伴奏を豪快に鳴らしてくれる。

戦後日本は欧米の良い商品をコピーして安く市場に出していた。中国のコピービジネスを批判している日本だが、かつて日本がそうであったことを思い出させてくれる。

針圧を4~6gかけることや、ゴムダンパーが傷んでいることが多く、ヘッドシェルの配線で特殊なリード線を作るなど、鳴らすのには一工夫必要。 

RPX-050/GE

これが本家GEのVariable Reluctance type通称バリレラ。RPX-050トリプルプレイです。本機はヘッドシェルから浮かして取り付けたもの。このカートリッジはヘッドシェルに針を回転させるための穴を空ける必要がある。さらには共鳴や ノイズなど意外にデリケートで扱いにくい。

発電機構のインピーダンスが高いことが取り扱いを神経質にさせているように思う。しかし一旦うまく載せられればブルーノーツのジャズには欠かせない。ベースのピッツィカートやドラムの空気感、管楽器やヴォーカルの絶妙な感触はこのカートリッジ独特の乾いた響きが必要だ。

AT-3M/Audio technic

AT-3MはAT-3(MM型)をモノーラル化したもの。垂直方向の発電機構を持っておらず、モノーラル専用になっているが、スタイラスの動きは垂直方向にも自由度があるのでステレオレコードをかけてもレコード盤を傷めることなくモノーラルで聴くことができる。元々AT-3がとても良いカートリッジであったため、このAT-3Mも音質がよく、今でも高く評価されている。カートリッジの端子はステレオ式と同じ4本で、内部でモノーラル接続になっているため普通にリード線をつなげば良い。シゲティの無伴奏はこのカートリッジが一番だ。



高音質を誇るカートリッジ(MM)


 LP全盛期を迎え、音響機器メーカーに家電業界も参入してオーディオブームは頂点に達した。家には必ずと言って良いほどステレオが鎮座し、レコードを楽しむ文化が花開く。各社はこぞって高音質カートリッジを発表、海外からの高級カートリッジも入り混じって百花繚乱。今、これらの名だたるカートリッジを気軽に楽しめることは芳崖な喜びである。70年代に聴いたレコードにまだこんな音が隠れていたのかと驚きをもちながら、ゆっくりと名曲・名演奏を楽しむことができる私たちはなんと幸せなことか。

 この時代は針先の形状やカンチレバーの素材にこだわり、あまりにも進みすぎたがゆえに生産を継続することが困難となり、多くが短命で市場から消えた。しかし、もしオリジナルが手に入れば是非とも聴いてみたい逸品揃いである。残念ながらどれも良い状態のオリジナルの針を手に入れることは困難であるが故に、なおさら思いは募る。

PC-600/Pioneer

Pioneerが放ったPC-200、PC-400,PC-600,PC-800のシリーズはベリリウム蒸着で硬度をあげるなど凝ったカンチレバーを使った高級MMカートリッジ。時々オークション市場に出るが、針が残っていればどれも素晴らしいものばかり。

MMの限界を超えたような分解能の高さとMM本来の安定性を併せ持つ。

このシリーズは針に互換性がある。発売当時は専用ヘッドシェルを備えるなどしていたが、ヘッドシェルやリード線も交換して、 自分好みのカートリッジにして楽しむのも良い。

最後に選ぶなら、PC-200を普段使いに、これぞという時に本機という選択かな~。

AT150E/AT

オーディオテクニカ(以後AT社)の高級VMカートリッジ。これも針は同一シリーズで互換性がある。AT社お得意のVM式で、明るい音色に深みが加わり、大編成のオーケストラや合唱曲など複雑な音源を立体的に再現する。

VM式はMM型の特許から逃れるために考え出されたMM型の変形で、リーズナブルな価格の高音質なVM方式カートリッジが世界中の人々に受け入れられていることは特筆される。

AT社は今もカートリッジを開発販売し続けている音響専門メーカーへと成長した。

AT150EはそのAT社の高級モデル。AT-15Eaの方が良いとの意見もあるが好みの問題か。

 

EPC-205/Technics

普及品のEPC-270が大健闘した松下電器は当時普及し始めたCD-4に対応するためカンチレバーと針先に最新技術と素材を持ち込んで世に送り出したのが本機である。

大きなノブの割には小さく細いカンチレバーが印象的だが、音質は極めて繊細、力感もあり、最新鋭の高級カートリッジにも伍する実力を秘めている。

残念ながら他の高級カートリッジと同様、技術に生産がついてこられず、オリジナルの針を作ることはもはや困難。

もしオークション市場で使えるものが見つかったら一つは手元に置きたい一品である。

v-15Ⅲ/Shure

SHUREが誇る高級カートリッジ。タイプⅠからⅤまであるが、これはⅢ。なぜかオークション市場ではこれは一番人気。MM型カートリッジの最高峰とも言うべき存在である。

本機はオリジナルの針ではなく、サードパーティーの交換針。neoSAS針など、交換針メーカーがしのぎを削るカートリッジでもある。

分解能、スピード感、質感、量感どれをとってもトップクラスとの評論家諸氏のお言葉だが、レコードを選ぶ気難しさがある。これで聴かなきゃあというレコードはそれほど多くない。私の持っている安物レコードでは真価を発揮できないようだ。



高音質を誇るカートリッジ(MC)


 MC型はレコード音溝の振動をコイルに伝えて発電するのでコイルの重さに限界がある。そのため巻数が少ないので発電電圧が低い。しかしインピーダンスが低いため高域の減衰や位相回転が少ない。つまり、高域の音質が格段に改善されるのだ。ところが発電機構が繊細であるため大量生産か難しく、熟練作業員が一つ一つ手作りに近い状態であるため、個体差も大きい。もちろん厳重な品質管理がなされているのだが、私もものづくりの現場に立つ身なので、ある程度の誤差や個性を許容しないとコストがかさんで製品として世に出せない面もある。この様な生産現場の難しいところでMCカートリッジは作られている。

 反対側から見れば、モノ作りのプロたちが自ら手塩にかけた製品が並ぶのであるから、悪いはずはない。そして個性も際立つ。その代わり生産コストはうなぎのぼり・・・。庶民には手の届かない製品が並ぶ事になる。

 ここで紹介するのは、かろうじて私のような庶民が手に出来るロープライスものだが、夫々特徴があって面白い。

DL-103FL/DENON

DENONの超ロングセラーDL-103の限定生産品。金クラッドの高純度銅線を発電コイルに使った贅沢な一品。

DL-103の安定度に透明感が加わったような印象。ものすごくいいというのではなく控えめに広域を伸ばしているところがDENONらしい。控えめだが瞬発力もありバランスが良い。

ATー33E/AT

Audio Technicaの高級MCカートリッジ。DENONのDL-103と並んで日本ではMCカートリッジの標準品との位置づけ。

DL-103がおとなしいのに比べこちらは華やかで艶やかというのが面白い。高域の高感度が災いして、女性ボーカルのサ行の発声が厳しく聞こえたり、残響が賑やかになるキライがある。

M-15E/SATIN

SATINは振動を直接的に発電コイルに伝える特殊な発電機構で、非常に繊細な音を引き出す個性的なカートリッジ。他社にOEMしていたので残存数が多い。MCにもかかわらず高出力のためMMポジションで楽しめる。異端児的存在だがバロック音楽、特にチェンバロはこれに勝るものはない。

MC-20/ortofon

北欧の勇Ortofonが誇る普及帯MCカートリッジ。オーソドックスな構造で奇をてらわないところがOrutofonらしい。開発に日本人技術者が加わったことで日本好みの音作りになったと言われている。

音質は率直で品が良い。オールラウンドだがクラシック音楽が定番のようだ。



DJ用カートリッジ


 DJ用のカートリッジは、針とカンチレバーを太く丈夫にして5~6gという重い針圧を耐え、スクラッチ(レコード逆転もある)など過酷な使用方法にも耐える強靭さが要求されます。音質は低音のズシン・ドカンといった迫力を求められるので、低音重視の設計となります。これは高域を犠牲にして得られるものなので、DJ用カートリッジは純粋な音楽鑑賞には向かないという見方が一般的です。

 しかし、DJ用カートリッジは消耗品的な使われ方をするので価格も比較的安価であり、交換針も相対的に安価であることは大きな魅力です。高級オーディオ製品ばかりが店頭を賑やかしている現在においては、とにかくレコードが聴けるDJカートリッジはありがたい存在でないでしょうか。

もうひとつのメリットはDJ専用カートリッジの際立った個性です。私はDJ用カートリッジのズシン・ドカンという迫力を面白いと感じています。高域が伸びないといってもCDのように完全に削除されているのではなく、単に感度が下がっているだけなので、オーケストラを聴いても、ジャズピアノを聴いても、迫力ある音で広域もよく聴こえているのです。

録音技術がまだ十分出なかった頃の古い音源のレコードであれば高域特性の劣勢はさほど気にならないはず。一度は試してみる価値があると思います。

SC35C/SHURE

 このカートリッジは放送局やミュージックボックスなどのヘビーデューティー用に開発された頑丈なMM型。

 2000年頃のDJブームでは頑丈さが受けてディスコDJの間でもてはやされました。

 適正針圧は4~5gと通常のオーディオ用カートリッジの2倍。針は円錐、周波数帯域は欲張らず20Hz~20000Hz、低域エネルギー優位の豪快なサウンドです。

 

CC-1/Numark

 2000年前後のHip-Hopシーンを席巻したコンコルドスタイルのMMカートリッジ。

 シェル一体型のコンコルドスタイルは先端が細くなっているのでレコード盤の曲の頭出しがしやすい。

 適正針圧は3~6gと幅広く、円錐針で20Hz~22000Hzは立派。出力電圧も高く、低域重視の豪快サウンドはDJカートリッジ共通の特徴です。

Concorde qbert/ortofon

 ORTOFONはDJ用にも力を入れており、18機種と多彩。

 本機はコンコルドタイプのシェル一体型、スクラッチの神様DJ Qbert自身が開発に携わったもので、出力がずば抜けて高いのも特徴です。

 適正針圧3gと一般のカートリッジに近く、円錐針で20Hz~20000Hz、出力電圧11mVの超パワフルサウンドが売りです。

GⅡ-PRO/STANTON

 コンコルドタイプのシェル一体型MMカートリッジ。DJ用では珍しく一個一個手作りの高級品で、特性の揃った2本と交換針2個をケースにセットしてありました。

 針圧は2~5g、円錐針で、20Hz~20000Hz、出力電圧は6mVです。

 音質は引き締まった低音とパンチの効いたアタック音が気持ち良い正統派。リスニングカートリッジとしても優秀です。



今後の掲載予定==2022/6/14 編集

 

 メーカー名のアルファベット順に順次公開を開始しました。

 古いものを中心に収集し、何とか音が出るように修理を行い、調整をして一通り試聴してきました。各カートリッジの写真を添えて、概要と試聴したときの印象を簡単に紹介します。写真の腕前が未熟なため、見栄えの良い写真になっておりませんが、カートリッジの個性的なフォルムや雰囲気は伝えられるのではないかと思います。